HOROKA Note
ホロカノート
2025.03.19 へるこら
腸活のすすめ ~腸内フローラを整えよう~
みなさん、「腸」はいったいどのような働きをするかご存知ですか?
食べたものを消化吸収する臓器であることは聞いたことがあると思いますが、腸の働きはそれだけではありません。近年、様々な研究により腸が全身の健康に影響することが報告されています。腸内環境を整えて心身ともに健康な日々を送りましょう。
腸内環境悪化による健康リスク
便秘や下痢・大腸疾患
腸内環境の悪化は日々の便通に悪影響を及ぼすだけではなく、潰瘍性大腸炎や大腸がんといった大腸の病気の要因となります。
糖尿病
糖尿病患者は腸内フローラが乱れ、悪玉菌が多く善玉菌が少ない傾向にあることがわかっており、腸内環境が血糖コントロールと深く関わっていると言われています。
肥満
腸内環境が乱れると、エネルギーの過剰吸収や食欲亢進を引き起こすことがわかっており、結果として肥満をもたらします。
うつ病・脳の病気
精神を安定させる働きのあるセロトニンや、パーキンソン病にも関与するドーパミンといった神経伝達物質は腸内細菌が作り出しています。神経伝達物質の産生場所である腸内環境を整えることで、うつ病や脳の病気の予防・改善につながることが期待されています。
腸活のポイント
1 食事編
便秘は腸内フローラの悪玉菌が優勢になっているサイン。腸内環境を整える食事の工夫をお伝えします。
- 腸内の善玉菌を増やす方法
プロバイオティクス(善玉菌)は善玉菌の栄養源であるプレバイオティクスと組み合わせてとることで活性化します!
プロバイオティクス(善玉菌)
腸内フローラのバランスを改善し、体に良い作用をもたらす、生きた微生物のこと(乳酸菌やビフィズス菌など)

乳酸菌飲料

発酵乳
(ヨーグルト)

発酵食品
(漬物・味噌)
プレバイオティクス(栄養源)
善玉菌を増殖・活性化し腸内環境を整える
その1 食物繊維
野菜なら1日350g以上を目標に!
不溶性食物繊維 | 水溶性食物繊維 | |
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働き | 便のかさを増やし腸を刺激、ぜん動運動を促進します。 | 腸の中で水分を吸収し、便を軟らかくします。腸内の善玉菌を増やし、腸内のバランスを整えます。 |
多く含む食品 | 野菜類 (ごぼう・たけのこ・かぼちゃ) 豆類 (いんげん豆・大豆) いも類 (さつまいも・こんにゃく) きのこ類 (えのき・しめじ・なめこ) | 野菜類 (ごぼう・大根・オクラ) 豆類 (納豆・きなこ) 海藻類 (ひじき・めかぶ・わかめ) 果物類 (バナナ・りんご・アボカド) |
その2 オリゴ糖
ふだんの食事に取り入れよう!
<働き> ビフィズス菌のエサとなり、善玉菌が増える
<食品> キャベツ・玉ねぎ・ごぼう・大豆等
- 腸内の悪玉菌を減らす方法
朝食をしっかりとる!
起床時は腸のぜん動運動や胃の働きが活発になりやすい時間帯。朝食をとることで腸に刺激を与え、排便をスムーズにします。
加工肉を食べ過ぎない!
ハムやベーコンなどの加工肉にはたんぱく質や脂肪が多く、悪玉菌の大好物。食べ過ぎには気をつけましょう。
2 運動編
適度な運動は腸のぜん動運動を活発にし、腸内の便を体外へ排泄しやすくする働きがあります。また、悪玉菌そのものや悪玉菌がつくり出す有害物質も排出します。
[運動例]
- ウォーキング
歩くことで全身の器官が刺激され、血流が良くなることで腸が温まり、善玉菌が繁殖しやすくなるといわれています。
- 腹筋運動
腹筋は年齢を重ねるとともに衰えやすいといわれています。まずは1日10回から始めてみましょう。
- ヨガ
ヨガは専門的な指導を受けながら行うことで、より効果を実感できます。お腹周りに刺激を与える種類のものが特に有効です。

※ 体調に異変を感じた場合には運動を中止してください。
3 生活習慣編
日々のちょっとした心がけで腸を元気にしましょう
起床後、コップ1杯分の水を飲む
人は就寝中も汗をかくため、水分を取らずにいると腸内の便から水分を吸収して便が硬くなり、便秘の原因になります。起床時に水を飲むことで、便の水分が増えて排便しやすくなるだけでなく、胃腸を刺激して腸の活動を活性化させます。
良い姿勢を心がける
長時間のデスクワークやスマホの利用による猫背の姿勢は腸を圧迫して便秘を引き起こします。背筋を伸ばした姿勢を心がけましょう。
半身浴をする
38~40℃位のぬるま湯に20~30分(発汗するまで)入浴することで代謝が促進され、腸の血流も良くなり、たまった毒素が排出されます。